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横浜地方裁判所 昭和45年(ワ)490号 判決

原告

高須美智子

ほか三名

被告

猪井運輸株式会社

主文

被告は原告高須美智子に対して金八四五、六九二円及び内金七四五、六九二円について昭和四五年四月二日以降完済まで年五分の割合による金員を支払え。

被告は原告高須陽子に対して金七、四〇七、二四六円及び内金六、七〇七、二四六円について同日以降完済まで同割合による金員を支払え。

被告は原告長田明に対して金四〇〇、〇〇〇円及び内金三五〇、〇〇〇円について同日以降完済まで同割合による金員を支払え。

被告は原告日産工機株式会社に対して金三三〇、九四六円及びこれに対する昭和四七年四月一九日以降完済まで同割合による金員を支払え。

原告らのその余の請求は、いずれも棄却する。

訴訟費用は五分し、その三を原告ら、その余を被告の各負担とする。

この判決は、第一ないし四項に限り仮に執行することができる。

事実

原告ら訴訟代理人は、「被告は、原告高須美智子(原告美智子という)に対し金六、一九九、〇二〇円、原告高須陽子(原告陽子という)に対し金一四、五七一、〇九一円、原告長田明(原告明という)に対し金九二八、三九二円、原告日産工機株式会社(原告会社という)に対し金四三三、六七三円、及び原告美智子、同陽子、同明に対する右各金員については昭和四五年四月二日以降、原告会社に対する右金員については同四七年四月一九日以降各完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決竝びに仮執行の宣言を求め、その請求の原因として次のとおり述べた。

一  被告

被告は、運送事業を目的とする株式会社であるが、普通貨物自動車、登録番号大阪一か七、二六二(被告車という)を所有し、これを右業務のため使用しているものである。

二  本件交通事故の発生

1  訴外今井武男(訴外今井という)は、被告会社の従業員であるが、昭和四四年四月二五日午後四時頃被告会社の業務に従事中、被告車を運転して神奈川県藤沢市の藤沢バイパスを東京方面から大阪方面に向つて進行中、同市城南四丁目六番一八号地先において、故障のため停車していた原告会社(当時訴外東急機関工業株式会社)所有の大型貨物自動車、登録番号品川一そ一七・四〇(原告車という)に追突し、この事故のため訴外高須豊(訴外豊という)を死亡させ、原告明に傷害を与え、かつ、原告車とその前方に駐車していた後記軽自動車を破損した。

2  本件事故は、訴外今井の過失によるものであつて、その詳細は次のとおりである。

すなわち、原告明は、右時刻頃原告車を運転して藤沢バイパスを被告車と同方向に進行し、右場所手前まで来たところ、フアン・ベルトが切れた為、それ以上原告車を運行することが不可能となつた。そこで同所において原告車を右道路左端に寄せ、ギヤをローに入れ、ハンド・ブレーキを引いて停車させ、左側尾灯を点滅させると共に、荷台後部右端に赤い手旗を掲げ、原告会社から自己所有の軽自動車(スバル)に乗つて代りのフアン・ベルトを持つてかけつけた訴外豊と共に、右故障個所を修理していた。藤沢バイパスは、右場所付近において、ほぼ直線のゆるい上り坂で見透しはよく、又、時刻は午後四時頃でまだ明るく、注意すれば右のように停車している原告車を容易に発見し、未然に事故の発生を防止することができるような状況であつたが、訴外今井は前方を注視することを怠つて、右のように故障を修理する為、前方に停車している原告車に気づかず、進路を変え又は一時停止する等の措置もとらない儘漫然と被告車を進行させた為、停車中の原告車にそのまま追突した。右追突の衝撃により原告車が前方に飛出したため、故障個所を修理するため原告車の下に入つて仰臥していた訴外豊の上を原告車の後輪が通過し、同人は原告車の下敷となつて腹腔破裂、骨盤複雑骨折等により即死し、ボンネツトの上に乗つて修理していた原告明は、転落して頭部打撲創、脳しんとう、頸椎骨折、両下腿打撲等の傷害を受け、又原告車と軽自動車は後部等を破損した。

三  責任原因

被告会社は、自己のために被告車を運行の用に供する者として、又訴外今井の使用者として、原告らが被つた人的、物的の損害を賠償すべき責任がある。

四  損害

1  訴外豊は、本件交通事故発生当時満三八才(昭和六年二月八日生)の健康な男子で、原告会社に倉庫係長として勤務しており、本件交通事故発生前三ケ月間の一ケ月の平均給与は金六六、七五二円、同一年間の賞与は金二二〇、七一〇円、過去三年間における平均昇給年額金四、六二三円及び賞与の年間平均増加額金一八、七二六円の収入を得ていた。

2  満三八才の男子の平均余命年数は三二・八一年(第一一回生命表)であつて、原告会社における停年は満五五才であるから、本件交通事故がなければ、同人は右停年まで勤務することができた筈である。

従つて、右停年時までに同人が取得すべき給与及び賞与の合計は別紙第一表及び第三表記載のとおり、それぞれ金二〇、八一三、九五二円及び金六、二九八、八〇六円となり、給与についてはその二五パーセントを生計費相当額として控除すると、退職時までに同人が取得すべき純利益(給与及び賞与の合計額)は金二一、九〇九、二六六円となる(別表第二及び第三表)。これからホフマン式計算方法を用いて、民事法定利率年五分の割合による中間利息を控除して、右死亡時の一時払額に換算すると金一五、五六二、八五九円となる(別表第二及び第三表)。

3  訴外豊は、本件交通事故によつて死亡し、原告会社から退職金として金五六〇、六九〇円を受取つたが、前記停年時に受けるべき退職金は金二、五二五、五八三円であつて、これをホフマン式計算方法により中間利息を控除して右死亡時における金額を算出すると金一、三七四、四六七円となる。よつて、同人は、本件交通事故により、この金額と右実際の受領額との差額金八一三、七七七円の損害を受けたこととなる。

4  以上のとおり、訴外豊は本件交通事故により将来得べかりし利益(2及び3の合計)金一六、三七六、六三六円を失つたこととなり、これにより同額の損害を被つた。

5  原告美智子は訴外豊の妻、同陽子は同人の子で、いずれも相続人であるから、訴外豊の右損害賠償請求権のうち、原告美智子がその三分の一の金五、四五八、八七八円を、同陽子がその三分の二の金一〇、九一七、七五八円をそれぞれ相続により取得した。

6  原告美智子は訴外豊の葬儀関係費用及び原告車に追突された前記軽自動車(スバル)の修理代として、次のとおり合計金五六二、四七五円を支出し、同額の損害を被つた。

(一)  葬祭費 金二七二、八〇〇円

(二)  御経料、御斎料 金三二、〇〇〇円

(三)  手伝謝礼 金六、五〇〇円

(四)  会食費 金一一九、三二五円

(五)  死体検案処置料、死体検案書料 金一三、五〇〇円

(六)  自動車修理代 金一一八、三五〇円

合計 金五六二、四七五円

7  訴外豊は、本件交通事故当時まだ満三八才で原告会社に倉庫係長として勤務し、優秀な社員として将来を嘱望されており、又原告美智子及び同陽子にとつては、夫又は父として家族の中心となり、平和な家庭生活を送つていたが、貨物自動車に押潰されるという悲惨な状態でその生命を奪われ、家族の中心として欠くことのできない存在であつた訴外豊をなくした同原告らは今後の生活の不安を考えて途方に暮れている状態である。精神的打撃は、訴外豊はもとより原告らにとつても甚大である。従つて、その慰藉料としては、訴外豊及び原告美智子については、それぞれ金二、〇〇〇、〇〇〇円、同陽子については金一、〇〇〇、〇〇〇円が各相当である。訴外豊の慰藉料請求権については、原告美智子及び同陽子が法定相続分に従い、原告美智子が三分の一の金六六六、六六七円を、同陽子が三分の二の金一、三三三、三三三円をそれぞれ相続した。

8  原告美智子は、これまでに被告会社及び訴外今井から香典として合計金四〇、〇〇〇円、強制保険から金三、〇〇九、〇〇〇円をそれぞれ受領したから、これらを以上の損害額の合計金八、六八八、〇二〇円から差引くと、残額は金五、六三九、〇二〇円となる。しかして、原告陽子の損害額の合計は金一三、二五一、〇九一円となる。

弁護士費用は、右の金額の各一割に相当する金五六〇、〇〇〇円及び金一、三二〇、〇〇〇円が相当であるから、被告会社は、原告美智子及び同陽子に対し、それぞれ合計金六、一九九、〇二〇円及び金一四、五七一、〇九一円を支払う義務がある。

9  原告明の損害

原告明は、本件交通事故により、頸椎骨折、頭部打撲挫創、右肩右肘両下腿打撲擦過傷等の傷害を負い、即日藤沢市辻堂新町一丁目一九の一八所在の間中病院に入院し治療を受けたが、その後昭和四四年六月二七日退院し、更に同年九月二五日まで通院加療し、右入院中の付添看護料、退院後の通院費等として合計金一二八、二九二円を支出し、同額の損害を被つた。

原告明は、前記間中病院を退院後も神経系統の障害は治癒するに至らず、現在も同病院に通院して加療中で、今後の異常性の発生をけ念している有様で、このため、原告の精神的損害は多大であり、事故当時から現在まで、更に将来の精神的苦痛は決して軽いものではない。それで、この精神的損害、苦痛に対する慰藉料としては金七〇〇、〇〇〇円が相当である。

従つて、原告明の損害額は右合計金八二八、三九二円となるが、これに対する弁護士費用としては金一〇〇、〇〇〇円が相当であるから、被告会社は原告明に対し右合計金九二八、三九二円を支払う義務がある。

10  原告会社の損害

(一)  原告車が、本件交通事故によつて使用不可能になつたため、昭和四四年四月三〇日より同年五月三一日までの二六日間、原告会社は本来原告車によつてなすべき業務を外部業者に依頼した。その費用は金二五〇、七五〇円である。

(二)  原告車の修理費 金七六、五〇〇円

(三)  原告会社の従業員である原告明に対して支給した休業補償費 金七〇、八六二円

(但し、労災で六〇パーセント支給されるので、原告会社は残余の四〇パーセントを就業規則で支給するように規定している。)

尚、右補償の期間は昭和四四年五月二八日より同年七月二〇日まで、同年八月一一日より同年九月六日までの合計八一日間である。

(四)  原告会社は、訴外豊に対して就業規則に基いて香花料を支給した。その額は金二〇、〇〇〇円である。

(五)  原告車の自動車任意保険の保険料は事故が発生しない場合には一年間金六〇、四四一円ですんでいたところ、本件交通事故のため会社が納付した保険料は金七六、〇一二円となり、その差額は金一五、五七一円である。

五  結論

よつて、被告会社に対して、原告美智子は金六、一九九、〇二〇円、同陽子は金一四、五七一、〇九一円、原告明は金九二八、三九二円、原告会社は金四三三、六七三円、及び原告美智子、同陽子、同明に対する右各金員については本件訴状送達の翌日である昭和四五年四月二日以降、原告会社に対する右金員については右と同様同四七年四月一九日以降完済に至るまで、民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払を求めるため、本訴請求に及んだ。

六  なお、原告らの主張に反する被告会社の主張、抗弁はすべてこれを争う旨付陳した。〔証拠関係略〕

被告訴訟代理人は、「原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。」との判決を求めた。

請求原因に対する答弁として、被告が運送事業を目的とする株式会社で、被告車を所有し、これを右業務のために使用していたこと、訴外今井が被告会社の従業員であつて、これが業務に従事中、被告車を運転して藤沢バイパスを東京方面から大阪方面に向つて進行中、その主張の日時、場所において、故障のため停車していた原告車に追突し、訴外豊を死亡させ、原告明に傷害を与えたこと、当時訴外豊は三八才で平均余命年数が三二・八一年であつたこと、同人が退職金として、金五六〇、六九〇円を受領したこと、訴外豊にとつて、原告美智子は妻、同陽子は子でそれぞれ相続人であること、原告美智子が香典合計金四〇、〇〇〇円、強制保険金として金三、〇〇九、〇〇〇円を受領したことは認めるが、その余の事実はすべて争う。

一  本件交通事故は、原告明並に訴外豊の一方的過失に基いて発生したものである。訴外今井並に被告会社には何等運行上の過失なく、かつ、被告車には構造上の欠陥又は機能の障害もなかつた。

本件事故現場は、藤沢バイパスという非常に交通量の多い、制限速度七〇粁の準高速道路上で、駐、停車禁止の場所である。

ところが、原告車が走行中、フアンベルトが切断し、かつ、そのためエンジンがオーバーヒートして自然に停止するに至つたので、原告明は藤沢バイパス上に漫然と駐車して訴外豊とともに修繕を行つていた。

そこへ、被告車が先行する八屯積大型貨物自動車に追従して、時速約六〇粁にて、衝突地点の約二七・三米手前に差しかかつたところ、先行車が突然右へ進路をかえはじめ、訴外今井が原告車を発見したときは、その距離は約一一・五米であつたので、直ちに急制動をかけたが間に合わず、これに追突したものである。

原告明並に訴外豊は次の注意義務を怠つた過失がある。

1  始業点検の際に、フアンベルトの損傷に十分注意して点検を行うべきであつた。

2  車両のフアンベルトが切断し、エンジンが焼付いて車両が自然に停止するようになるまでには、少くとも一〇分ないし一五分位要し異臭が発生するものである。したがつてかかる場合には、エンジンの異常を発見すると同時に、藤沢バイパス以外のところで原告車を駐車すべきであつた。

3  仮に、藤沢バイパスに駐車を余儀なくされた場合においても、後続車両の追突を予想し、これが防止のため誘導措置、その他標識、赤旗等による危険防止措置をとるべきであつた。

二  訴外今井は、原告車がこのような場所で違法に駐車しているとは全く予想しえなかつた。

即ち、自動車運転者としては、交通法規を遵守して車両の運行をすればよく、それ以上いやしくも道路である限り、何時、何処で他の車両等が故障等により駐、停車しているかも知れないことまでも予想して、その場合の追突その他の衝突を避けるために、徐行その他の措置をとるべき義務はない(信頼の原則)ものといわなければならない。

従つて、本件の場合訴外今井が全く原告車の駐車を予想しえなかつた以上、同人に過失はない。

三  仮に、訴外今井に何らかの過失があるとしても、右に述べたように原告明並に訴外豊に重大な過失があるから、過失相殺がなさるべきである。

四  原告美智子、同陽子は、訴外豊の死亡により、厚生年金保険法並に労働者災害補償保険法に基き、原告美智子はその余命年数期間である四〇・四〇年間、同陽子は一八才に至るまでの間夫々年金を受領しうるところ、この期間の両名の厚生年金保険の給付総額は金四、二六八、〇一〇円であり、遺族補償年金の総額は金一〇、六九四、三九四円である。

然るところ、労災法第一六条の三第一項第一号の規定により、右総額は金一〇、六九四、三九四円から厚生年金保険法による給付総額に、一〇〇分の五〇を乗じた額を控除することになるので、その額は金八、五六〇、三八九円となる。

よつて、原告美智子、同陽子については、右給付額につき損益相殺の主張をする。

原告明については、労災保険給付総額金二一三、六〇五円について、損益相殺を主張する。〔証拠関係略〕

理由

一  訴外今井が被告会社の従業員であつて、同会社の業務に従事中、被告車を運転して藤沢バイパスを東京方面から大阪方面に向けて進行していたところ、原告らの主張する日時場所において、故障のため停車していた原告車に追突し、訴外豊を死亡させ、原告明に傷害を与えたことは当事者間に争いがない。

二  訴外今井に過失があつたかどうか判断する。

1  現場付近の状況

〔証拠略〕によると、現場付近は幅員約一五米のアスフアルト舗装の直線道路で、中央線にはチヤツターバーが埋込んであり、上下線とも二車線に分かれている。路面は平坦で乾燥し、最高速度は毎時七〇粁、駐車禁止の規制がなされている。車両の交通量は多く、現場付近の道路には見とおしを妨げる障害物件はなく、東京方面から大阪方面に向い坂道を下つて、また、登りかけたところで(登りの勾配は約一〇〇分の一・五)前方約五〇〇米の見とおしは可能であることが認められる。

2  事故の態様

(一)  原告車側

〔証拠略〕によると、原告会社は、昭和四四年四月一五日原告車を車検のため下里自動車整備工場に出し、修理の上、車検の手続を完了して、同月二三日これを受け取つたこと。原告明は、右受領日から二日後の同月二五日朝の始業点検の際、原告車のフアンベルトをおさえて点検したが、たるみもその他の異常も発見しなかつた。そこで、原告明は、原告車を運転して藤沢バイパスを東京方面から大阪方面に向けて進行中、別に異常も異臭も感じなかつたが、現場にさしかかつた際「ブスツ」という音がしてエンジンが止まつたので、惰力を利用して第一通行帯の左側一ぱいによせて駐車した(原告車が故障のため停車したことは争いがない。)。直ちに、ウインカーを左へあげ、左後部のテールランプを点灯し、ボデイ右側の鎖止めに赤旗(縦約二〇糎、横約三〇糎)をさし、白いウエースをその横にぶらさげて、後車への警告表示とした。そして、エンジンを点検したところ、フアンベルトが切れていたので訴外豊に電話して救援を求めた。訴外豊は、その所有する軽自動車(スバル)で現場に到達し、これを原告車の直前に駐車して、暫時後続車に対する誘導に従事していたが、原告明単独では故障の修理が思うようにはかどらなかつたので、誘導をやめて、自から原告車の下にもぐり、原告明は前部バンバーに乗つて作業していたことが認められる。

(二)  被告車側

〔証拠略〕によると、訴外今井は被告車を運転して、第一通行帯を時速六〇粁で、先行する大型貨物自動車に追従して進行中のところ、右先行車が荷台に幌をかけて前方の見とおしが妨げられていたにもかかわらず、僅か一二、三米の車間距離をおいただけで進行していたため、先行車が不意にハンドルを右に切り第二通行帯に進路を変えるのを見て、一瞬不審に思いつつ、約一六米進行したところ、進路前方約一二米先に原告車が駐車しているのをはじめて発見し、急制動の措置をとつたが間に合わず、原告車の後部に被告車の前部を追突させ(追突の点は争いがない。)、原告車を前方に押し出し、そのため、訴外豊を轢過させ、よつて同人をして腹部破裂、骨盤複雑骨折、腰部、左大腿挫滅創等により即死させ(訴外豊が死亡したことは争いがない。)、同じく原告車の前部バンバーに乗りボンネツトを開けて修理作業をしていた原告明を路上に転落させて、同人に対し頭部打撲創、頸椎骨折等の傷害を負わせ(原告明に傷害を与えたことは争いがない。)、かつ、原告車の後部等並びに訴外豊所有の軽自動車を破損したことが認められる。

3  訴外今井の過失

自動車運転者は、藤沢バイパスの駐車禁止の区間においても、車両の故障、あるいは、交通事故等の偶発的原因により、止むなく駐車せざるを得ない車両が往々にしてあるのであるから、そのような障害物が進路上に存在するかも知れないことを絶えず念頭に置き、特に、先行車のある場合には、これにさえぎられて、その前方の障害物を発見することが比較的困難であるから、先行車が右障害物に気付いて避譲した際、自車もこれを避譲できるよう十分な車間距離を保持して進行すべき注意義務がある。

しかるに、右の認定事実によると、訴外今井は右の注意義務を怠り、僅か一二、三米の車間距離をおいただけで進行し、原告車を発見するのがおくれて本件交通事故を惹起したというのであるからこれに過失のあることは明白である。

三  被告の責任原因

被告が被告車を保有しこれをその業務のために使用していたこと、訴外今井が従業員であつてその業務に従事中本件交通事故を惹起したことは争いがないから爾余の点について判断するまでもなく、被告は自動車損害賠償保障法第三条、民法第七一五条によつて原告らの被つた損害を賠償しなければならない。

四  損害

1  訴外豊の得べかりし給与及び賞与

〔証拠略〕によると、訴外豊は、本件交通事故発生当時満三八才の健康な男子で、原告会社(当時東急機関工業株式会社)に倉庫係長として勤務していた。本件交通事故発生前三ケ月間の一ケ月の平均給与は金六六、七五二円、発生前一ケ年の賞与は金二二〇、七一〇円であつた。平均昇給年額は金一五、六〇〇円(一ケ月にすると金一、三〇〇円)、賞与の年間増加額は金五、二〇〇円(年間四ケ月分の賞与があるとして、月給の増加額金一、三〇〇円の四ケ月分)であつて、原告会社の停年は満五五才であることが認められる。

そして〔証拠略〕によると、訴外豊は、本件交通事故がなければ右停年まで一七年間勤務することができ、その生活費は月給の五〇パーセントと推認できるから、月給からこれを差引き、右期間の得べかりし月給と賞与の合計をホフマン式計算によつて現価を算出すると、第四、五表のとおり、月給の現価は金五、六四九、六七二円、賞与の現価は金三、一二三、二九一円、合計金八、七七二、九六三円となる。

2  訴外豊の得べかりし退職金

〔証拠略〕によると、訴外豊が停年時に受けるべき退職金の額は金二、五二五、五八三円であることが認められる。よつて、これをホフマン式計算方法によつて現価を算出すると金一、三六三、八一四円(円以下切捨)となる。

金2,525,583円×0.54(17年のホフマン式係数)=金1,363,814円

しかして、訴外豊は退職金としてすでに金五六〇、六九〇円を受領していることは争いがないのであるから、これを右金額から差引き得べかりし損失を算出すると金八〇三、一二四円となる。

3  過失相殺

以上訴外豊の得べかりし利益の合計は金九、五七六、〇八七円となるが、被告は過失相殺を主張するからこの点について判断する。

(一)  被告は、原告明が始業点検の際フアンベルトの損傷について十分点検を行わなかつた過失がある旨主張するが、これを立証するに足る証拠はない。却つて、前記認定によると、原告明は始業点検の際原告車のフアンベルトをおさえて点検したが、これに「たるみ」もその他の異常も発見しなかつたのであるから、一応点検に際しての注意義務は尽したものというべきである。よつて、この点についての被告の主張は理由がない。

(二)  次に被告は、エンジンの異常を早く発見して、藤沢バイパス以外の道路で原告車を駐車すべきであつた旨主張する。〔証拠略〕によると、車両のフアンベルトが切断しエンジンが焼付いて車両が自然に停止するようになるまでには走行条件にもよるけれども普通一〇分ないし一五分位の時間を要し、運転席においても焼付がひどくなるにつれ異臭が発生していることに気付くものであることが認められる。前記認定によると、原告明は現場に到達して「ブスツ」という音がしてエンジンが止まるまで、異常も異臭も感じなかつたというのであるから、これに過失のあることは否定できない。しかしながら、〔証拠略〕によると、藤沢バイパスには退避車線が設置されてないことが認められるし、又、原告車がどの地点迄進行したとき焼付の異臭に気付くことができたかということについて、何等の証拠もないのであるから、過失相殺として斟酌される過失には該当しないものというべきである。

(三)  更に被告は、原告明は追突防止のため、誘導措置、その他標識、赤旗等による危険防止措置をとるべきであつた旨主張する。

前記認定のとおり、原告明は、ウインカーを左へあげ、左後部のテールランプを点灯し、ボデイの右側の鎖止めに赤旗をさし、白いウエースをその横にぶらさげて後車への警告表示としたが、誘導措置はとらなかつた。〔証拠略〕によると、現場付近の藤沢バイパスは、車両の交通量が極めて多いことが認められるので、原告側において誘導措置をとらなかつたことはかなりの過失があつたものといわなければならない。

よつて、原告側の過失と訴外今井の過失とを対比すると、原告側二割、訴外今井八割と解するのが相当である。

従つて、右の合計額金九、五七六、〇八七円からその二割を控除すると、残額は金七、六六〇、八六九円(円以下切捨)となる。

4  相続

原告美智子が訴外豊の妻、同陽子が同訴外人の子であつて、いずれもその相続人であることは当事者間に争いがない。〔証拠略〕によると、訴外豊の右損害賠償請求権金七、六六〇、八六九円のうち、原告美智子がその三分の一の金二、五五三、六二三円を、同陽子がその三分の二の金五、一〇七、二四六円をそれぞれ相続によつて取得したことが推認できる。

5  葬儀関係費用と自動車修理代

〔証拠略〕によると、葬儀関係費用は金三五〇、〇〇〇円が相当であり、軽自動車(スバル)の修理代が金一一八、三五〇円であつて、原告美智子は合計金四六八、三五〇円を支出し、同額の損害を被つたことが認められる。

6  慰藉料

(一)  原告美智子、同陽子は、訴外豊の慰藉料として金二、〇〇〇、〇〇〇円を請求するが、これは本来一身専属性のもので相続性をもたないから、同原告らの請求を認めることはできない。

(二)  しかして、同原告らの家族関係、本件交通事故の原因態様、前記原告側の過失その他諸般の事情を斟酌すると、原告美智子、同陽子に対する慰藉料の額は、それぞれ金一、六〇〇、〇〇〇円が相当である。

7  保険金の受領等

以上、原告美智子の損害額の合計は金四、六二一、九七三円、同陽子のそれは金六、七〇七、二四六円となる。

原告美智子が、被告及び訴外今井から香典として合計金四〇、〇〇〇円、強制保険から金三、〇〇九、〇〇〇円をそれぞれ受領したことは当事者間に争いがない。又、平塚社会保険事務所、藤沢労働基準監督署に対する調査の嘱託の結果によると、原告美智子、同陽子に対する厚生年金保険法並に労働者災害補償保険法に基く遺族補償年金の総額は金八、五六〇、三八九円となることが認められるけれども、同法第二〇条第一項に基き政府の取得した第三者に対する求償権は、年金の性質、目的からして、災害発生後三年を経過した後は行使しないこととされているので、第六表記載の三年間の年金給付の合計額金八二七、二八一円にかぎり、原告美智子の損害額から控除することとする。そうすると、原告美智子の損害残額は金七四五、六九二円となる。

8  原告美智子、同陽子に対する弁護士費用

本件訴訟の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌すると、弁護士費用は、原告美智子に対して金一〇〇、〇〇〇円、同陽子に対して金七〇〇、〇〇〇円が相当である。

9  原告明の損害

(一)  入院中の付添看護料及び退院後の通院費等

〔証拠略〕によると、原告明は昭和四四年四月二五日から同年六月二七日まで六四日間入院し、同年六月二八日から同年九月二五日までの間九〇日間(実治療日数三三日)通院加療したこと、そして右入院中の付添看護料、退院後の通院費等として合計金一二八、二九二円を支出して、同額の損害を被つたことが認められる。

(二)  過失相殺

前記のとおり、本件交通事故における過失の割合は、原告側が二割であるから、右損害額からその二割を控除すると、残額は金一〇二、六三三円(円以下切捨)となる。

(三)  慰藉料

本件交通事故の原因態様、傷害の部位、程度、治療経過、原告側の過失等諸般の事情を斟酌すると、原告明に対する慰藉料の額は金三五〇、〇〇〇円が相当である。

(四)  保険金の受領

藤沢労働基準監督署に対する調査嘱託の結果によると、原告明は労働者災害補償保険法に基く療養補償給付として、すでに金一一六、六三六円を受領していることが認められるから、これを右(一)(二)項において述べた損害に充当する。

(五)  弁護士費用

本件訴訟の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌すると、弁護士費用は金五〇、〇〇〇円が相当である。

10  原告会社の損害

(一)  原告車使用不能による損害

〔証拠略〕によると、原告会社は、本来原告車によつてなすべき業務を原告車使用不能のため、昭和四四年四月三〇日より同年五月三一日までの二六日間外部業者に依頼せざるを得なくなり、その費用として金二五〇、七五〇円を支出し、同額の損害を被つたことが認められる。

(二)  原告車の修理費

〔証拠略〕によると、原告会社は、原告車の修理費として金七六、五〇〇円の損害を被つたことが認められる。

(三)  休業補償費

〔証拠略〕によると、原告会社は、原告明に対して、昭和四四年五月二八日より同年七月二〇日まで、同年八月一一日より同年九月六日までの合計八一日間、就業規則にもとづく事務管理として、労働者災害補償保険法にもとづく休業補償費によつて支給されない残余の四〇パーセント分金七〇、八六二円を支給し、被告に対する求償請求権を取得した。

(四)  香花料

原告会社は、訴外豊に対して就業規則に基いて香花料金二〇、〇〇〇円を支給したので、これが損害を請求するというのであるが、香花料は損失を填補するものでなく、道徳、礼儀の分野に属するから、これが請求は理由がない。

(五)  保険料差額の損害

〔証拠略〕によると、原告会社は本件交通事故の発生のため保険料の割引がなくなり、金一五、五七一円余分に支払わざるを得なくなり同額の損害を被つたことが認められる。

(六)  過失相殺

以上、原告会社の損害の合計額は金四一三、六八三円となるが、前記のとおり本件交通事故における過失の割合は、原告側二割であるから、右損害額からその二割を控除すると、残額は金三三〇、九四六円(円以下切捨)である。

五  結論

そうすると、被告は原告美智子に対し金八四五、六九二円、同陽子に対し金七、四〇七、二四六円、同明に対し金四〇〇、〇〇〇円、原告会社に対し金三三〇、九四六円、並に原告美智子については弁護士費用を除いた内金七四五、六九二円、同陽子については同内金六、七〇七、二四六円につき、同明については同内金三五〇、〇〇〇円につき、それぞれ本件訴状送達の翌日である昭和四五年四月二日以降、原告会社については右金員につき右と同様同四七年四月一九日以降完済に至るまで、いずれも民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払をしなければならない。

よつて、原告らの本訴各請求は右の限度において正当であるからこれを認容することとし、その余は失当であるからこれを棄却する。

訴訟費用の負担については、民事訴訟法第八九条、第九二条、第九三条を、仮執行の宣言については同法第一九六条を各適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 石藤太郎)

第1表 退職時までの賃金の合計額

1年目(44.5―45.4) 66,752×11+71,375=805,647

2〃(45.5―46.4) 71,375×11+75,998=861,123

3〃(46.5―47.4) 75,998×11+80,621=916,599

4〃(47.5―48.4) 80,621×11+85,244=972,075

5〃(48.5―49.4) 85,244×11+89,867=1,027,551

6〃(49.5―50.4) 89,867×11+94,490=1,083,027

7〃(50.5―51.4) 94,490×11+99,113=1,138,503

8〃(51.5―52.4) 99,113×11+103,736=1,193,979

9〃(52.5―53.4) 103,736×11+108,359=1,249,455

10〃(53.5―54.4) 108,359×11+112,982=1,304,931

11〃(54.5―55.4) 112,982×11+117,605=1,360,407

12〃(55.5―56.4) 117,605×11+122,228=1,415,883

13〃(56.5―57.4) 122,228×11+126,851=1,471,359

14〃(57.5―58.4) 126,851×11+131,474=1,526,835

15〃(58.5―59.4) 131,474×11+136,097=1,582,311

16〃(59.5―60.4) 136,097×11+140,720=1,637,787

17〃(60.5―61.4) 140,720×9=1,266,480

合計 20,813,952

※ 毎年4月に4,623円昇給するものとする。

第2表

賃金から生活費(25%)を控除した額及びこれから中間利息を控除した額()

1年目 805,647-805,647×0.25=604,235 604,235

2〃 861,123-861,123×0.25=645,842×0.95238095=615,088

3〃 916,599-916,599×0.25=687,449×0.90909090=624,954

4〃 972,075-972,075×0.25=729,056×0.86956521=633,962

5〃 1,027,551-1,027,551×0.25=770,663×0.83333333=642,220

6〃 1,083,027-1,083,027×0.25=812,270×0.8=649,816

7〃 1,138,503-1,138,503×0.25=853,877×0.76923076=656,829

8〃 1,193,979-1,193,979×0.25=895,484×0.74074074=663,322

9〃 1,249,455-1,249,455×0.25=937,091×0.71428571=669,351

10〃 1,304,931-1,304,931×0.25=978,698×0.68965517=674,965

11〃 1,360,407-1,360,407×0.25=1,020,305×0.66666666=680,204

12〃 1,415,883-1,415,883×0.25=1,061,912×0.64516129=685,105

13〃 1,471,359-1,471,359×0.25=1,103,519×0.625=689,700

14〃 1,526,835-1,526,835×0.25=1,145,126×0.60606060=694,016

15〃 1,582,311-1,582,231×0.25=1,186,733×0.58823529=698,079

16〃 1,637,787-1,637,787×0.25=1,228,340×0.57142857=701,909

17〃

合計 15,610,460 11,115,145

※ 小数点以下四捨五入

第3表

退職時までの賞与の合計額及びこれから中間利息を控除した額()

1年目 220,710 220,710

2〃 239,436×0.95238095=228,035

3〃 258,162×0.90909090=243,784

4〃 276,888×0.86956521=240,773

5〃 295,614×0.83333333=246,345

6〃 314,340×0.8=251,472

7〃 333,066×0.76923076=256,205

8〃 351,792×0.74074074=260,587

9〃 370,518×0.71428571=264,656

10〃 389,244×0.68965517=268,445

11〃 407,970×0.66666666=271,980

12〃 426,696×0.64516129=275,288

13〃 445,422×0.625=278,389

14〃 464,148×0.60606060=281,302

15〃 482,874×0.58823529=284,044

16〃 501,600×0.57142857=286,629

17〃 520,326+0.55555555=289,070

合計 6,298,806 4,447,714

第4表

訴外豊の得べかりし月給のホフマン式計算による現価

1年目(44.5―45.4) 66,752×11+(66,752+1,300)=802,324

2年目(45.5―46.4) {68,052×11+(68,052+1,300)}×0.952=778,663

3年目(46.5―47.4) {69,352×11+(69,352+1,300)}×0.909=757,673

4年目(47.5―48.4) {70,652×11+(70,652+1.300)}×0.869=737,888

5年目(48.5―49.4) {71,952×11+(71,952+1,300)}×0.833=720,315

6年目(49.5―50.4) {73,252×11+(73,252+1,300)}×0.8=704,259

7年目(50.5―51.4) {74,552×11+(74,552+1,300)}×0.769=688,965

8年目(51.5―52.4) {75,852×11+(75,852+1,300)}×0.74=674,527

9年目(52.5―53.4) {77,152×11+(77,152+1,300)}×0.714=661,966

10年目(53.5―54.4) {78,452×11+(78,452+1,300)}×0.689=649,536

11年目(54.5―55.4) {79,752×11+(79,752+1,300)}×0.666=638,243

12年目(55.5―56.4) {81,052×11+(81,052+1,300)}×0.645=628,180

13年目(56.5―57.4) {82,352×11+(82,352+1,300)}×0.625=618,452

14年目(57.5―58.4) {83,652×11+(83,652+1,300)}×0.606=609,105

15年目(58.5―59.4) {84,952×11+(84,952+1,300)}×0.588=600,185

16年目(59.5―60.4) {86,252×11+(86,252+1,300)}×0.571=591,741

17年目(60.5―61.1) 87,552×9×0.555=437,322

合計 11,299,344

(但し、小数点以下切捨)

金11,299,344円×1/2=金5,649,672

第5表

訴外豊の得べかりし賞与のホフマン式計算による現価

1年目(44) 220,710+(1,300×4)=225,910

2年目(45) {225,910+(1,300×4)}×0.952=220,016

3年目(46) {231,110+(〃)}×0.909=214,805

4年目(47) {236,310+(〃)}×0.869=209,872

5年目(48) {241,510+(〃)}×0.833=205,509

6年目(49) {246,710+(〃)}×0.8=201,528

7年目(50) {251,910+(〃)}×0,769=197,717

8年目(51) {257,110+(〃)}×0.74=194,109

9年目(52) {262,310+(〃)}×0.714=191,002

10年目(53) {267,510+(〃)}×0.689=187,897

11年目(54) {272,710+(〃)}×0.666=185,088

12年目(55) {277,910+(〃)}×0.645=182,605

13年目(56) {283,110+(〃)}×0.625=180,193

14年目(57) {288,310+(〃)}×0.606=177,867

15年目(58) {293,510+(〃)}×0.588=175,641

16年目(59) {298,710+(〃)}×0.571=173,532

合計 3,123,291

(但し、小数点以下切捨)

第6表

厚生年金保険法及び労働者災害補償保険法に基く遺族補償(昭和44年4月25日から同47年4月24日までの3ケ年間に支給された年金の総額)

一 厚生年金 合計金 295,410円

1 原告美智子に対する分 合計金275,010円

(一) 昭和44年5月より同年10月までの6ケ月間

金5,035円×6=金30,210円

(二) 昭和44年11月より同46年10月までの2ケ年間

金8,000円×24=金192,000円

(三) 昭和46年11月より同47年4月までの6ケ月間

金8,800円×6=金52,800円

2 原告陽子に対する分 合計金20,400円

(一) 昭和44年5月より同年10月までの6ケ月間

金400円×6=金2,400円

(二) 昭和44年11月より同46年10月までの2ケ年間

金600円×24=金14,400円

(三) 昭和46年11月より同47年4月までの6ケ月間

金600円×6=金3,600円

二 労災年金 合計金974,986円

1 昭和44年5月より同45年10月までの1年6ケ月間

金284,371円×1.5=金426,556円

2 昭和45年11月より同47年4月までの1年6ケ月間

金365,620円×1.5=金548,430円

三 労働者災害補償保険法第16条の3第1項1号によると、厚生年金保険法の規定による遺族年金の支給額に100分の50を乗じて得た額を労災年金より減ずることになつているので、

金295,410円×1/2=金147,705円

金974,986円-金147,705円=金827,281円

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